第1章

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11月ー。修学旅行一日目ー。 この一日で、私と心春ちゃんを変えてくれるなんて思ってもなかった。 ホテルでの寝る班は心春ちゃんたちとも一緒になった。 「ねぇ、みんなでトランプしようよ。」 「いいねー。」 私たちは、部屋のみんなでトランプのババ抜きをした。 「一抜け!」 と、みんながどんどん抜けていく中、私と心春ちゃんのが全く揃わずとうとう二人だけになった。 そして、ジョーカーが私たちの手札をローテーションしていくうちに私と心春ちゃんには笑顔が生まれてきた。 「またジョーカー?」 私が言った。 「美穂ちゃん引きすぎ。」 心春ちゃんが、笑って言った。 「心春ちゃんこそ。」 私も笑って言った。 そして、やっと決着がついた。 「う~ん。これだ!」 心春ちゃんが私の手札から引いたのは、エースのハートだった。 ハートにはこんな意味があった。 ”心” このトランプをきっかけに、私と心春ちゃんの心にはひとつの輝きが生まれた。
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