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よく見るとその大群衆は、各々に武器を振るい、魔法を唱え、魔法陣などを駆使し、戦ってるようだ。
俺から見て、左側は騎士のような鎧を着ているものがほとんどで、
右側は全体的に黒々としていて、暗い色の霧のようなものをまとっているものが多く見受けられた。
それらはちょうど俺の下で交わり、武力や魔法を振るい合っている。
すごくファンタスティックで怖いね。
「言ったじゃないですか。戦争が起こってしまったと。」
神様は残念そうにそう言った。
なんで戦争が起きたんだ?
「互いのモノを奪い合おうとしてしまった、それだけですよ。
貴方から見て左側にいるのが人間。右側は魔人。他にも様々な種族が応戦していますが、大本はその二つです。
そして、人間側には英雄、魔人側には魔王を筆頭に
それぞれの国へ鬩ぎ(せめぎ)あって丁度、その国々の中間地点のこの真下で衝突しているんです。
詳しい理由が知りたいなら、また後にお話します。
だからお願いです。
このまま戦争が続けば間違いなくこの二つの国や、種は滅んでしまいます。
絶対に止めてください。」
なんか話が重くなってません?
国はまあまあどうでもいいが、来てそうそう種が滅びるってめっちゃ困るんだけど。
つかお前そのど真ん中に俺を落とすなんて止めさせる気満々だろ。
はぁ、と俺は一度、ため息を吐いた。
それから一度、目を強く瞑り、勢いよく開く。
どんどん大群衆との距離が近くなってきているようで、人の形や魔人とやらの形がはっきり分かる見えてきた。よく見ると向こうでは見たこともないような姿の生き物もいるようだ。
それらを見回してから、俺は魔力を体にまとわせた。
目に見えるほど分厚くまとったそれはゆらゆらと炎のように揺らめき、落ちるスピードを少し落とした。
まぁいいさ、俺のスローエンジョイファンタジーライフのためだ。
やってやんよ!
「ありがとうございます。」
それを聞き、俺は気合をいれた。
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