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さっきから騒ぎすぎて若干疲れた。もうヤダ。寝たい。
だが、己の欲望より先にこの目の前の現状をどうにかしなくちゃいけないらしい。
睡眠はしたいが、永眠はしたくない。
瞳に映るのはゆらゆら揺れる魔力。
地面まであと200メートル。(たぶん)
ま、あとは気合だな。
「楼くん!もう地面はそこまで来ていますよ!」
なんか言ってる神様は無視し、俺は這わせていた分厚い魔力を具現化し、もう一度目を閉じて集中力を上げながら、魔力を圧縮していく。
そして、それらが最高潮に達するのを感じると、
目を開き、同時に圧縮した魔力を爆発させるかのようにいっきに開化させる。
刹那、魔力は戦場一面を照らすかのように光り輝き、その光により、戦場は静寂に呑み込まれた。
その閑散とした戦場に、一音の羽音。
そこには、灰色に染まった魔力の羽で羽ばたく楼の姿があった。
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