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「貴様は一体何者だ?」
両足が地面についたところで、一人の男が声をかけてきた。
どうやら『英雄』らしい。
サラサラの痛みを知らない金髪の髪は風に揺れ、俺を警戒する緑色の目がこちらを睨んでいる。
何者って言われてもなぁ・・・。
「人間だが?」
とありのままに答えてみると周囲がざわつきはじめる。
見ればわかるだろ・・・って忘れてた。
俺、ローブ着てるんだった。
何色とも形容しがたいこの使い古したローブは、修行をする際に神様に貰った
ものだ。
ただ、神様に貰ったといえど、特別な機能なんてないただのローブ。
それを落とされた時からフードまで被ってしっかり着ていたし、
このローブ大きいから、フードを被ると鼻と口元くらいしか見えないのだ。
そういえば、よくあの風でとれなかったな、コレ。
「人間だと・・・!?ならば、なぜ空から降りてきたのだ!それにその翼はなんだ!人間にはそんなものないぞ!!」
おぉ怖い怖い。
ありのままを答えたら英雄じゃなくて周りの奴がキレてくるとか。
一人が騒ぎ出したのを口切に周りも騒ぎ出す。
英雄が睨んでくるのは変わらない。
てかどうしてそんな急にみんな激怒してんの? これも戦争のせいなの?
めんどくせぇなぁ・・・。
まぁいいか。俺は事実を喋るだけだ。
「空から来たのは神様のせいだ。そして、
その神様からある頼み事をされたから、俺はここにいる。」
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