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「私にも分かりません。」
「はぁ??」
なんなの?お前神様だろーに・・・。
神様の”分かりません”発言に、今度は俺が呆れてしまった。
「今までにこんな事、あったことないですから。いくら私が神と言えど、貴方がどうやってここにやって来たのか分からないんです。
だから、直接貴方にわけを聞こうと思ったのですが・・・その様子だと、貴方自身も分かっていないようですね。」
そう言い区切ると、神様は一息つき、困ったように笑った。
神様でもわからんことはあるもんなんだな。
「だからとりあえず、貴方は死んで輪廻に帰る時に何らかの影響で、ここ、”生死の狭間”に落ちてきた。ということにしておきます。」
ここ、生死の狭間だったんだ。
てか、しておきますって。それでいいのかよ神様。
「分からないままだと天使達や、他の者に混乱が生じますから。
まぁこの話は、原因が分からない以上、ここで終わりです。」
混乱ねぇ。神様も大変だな。
「それよりも気になるんですが、いいですか?」
急に神様がグイっと近づいた。
「え、何?」
若干、後ろに引きながら聞き返すと、なんだかわくわくオーラを出してきた。
なんか怖いんですけど・・・。
「なんで、死んでしまったのにそんなに落ち着いてるんです??
他の人間は泣き叫んだり、怒ったり、パニックになったりするのに。」
なんだ。そんな質問か。
「簡単なことじゃねーの。
そいつらには未練があって、俺にはない。ただそれだけだろ。」
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