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神様はとても驚いた顔をした。
「・・・本当珍しい方ですね。」
「は?」
俺は首をかしげた。
「それこそお爺さんやお婆さんとかなら話なら別ですけどね。
今なんて、自ら命を落とすようなことをした人でも、もっと生きたかった、なんて言ったりするんです。
貴方みたいな若者は特にね。」
そういうと、神様は俺をじっと見て、困ったように笑う。
「なんか悔しいですね。」
「なんで?」
今の話で、神様が俺に悔しがるようなことなんてなかっただろうに。
「人生を謳歌して死んだ人なら良いんですけどね。
貴方のように若いうちに、それも不慮の事故で死んだというのに、未練なんてないなんて言われるとね。さすがに、私のプライドも傷付きますからねぇ。
貴方のいた世界を創ったのは、神である、私ですから。」
そういうと、何かを考えているのか、うんうんと唸りだした。
神様もプライドなんてものあるのか。親近感湧くわ。
「それは、私も光栄です。」
「・・・心を読むなと言っただろう。」
少し睨むように神様を見ると、また困ったように神様は笑った。
その笑い方は、もはやクセなのね。
ふんと鼻を鳴らすと神様は爆弾を落とした。
「貴方を転生させることにします。」
「まじか」
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