第1章

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「君とは以前にも会ったことがあるんだけど、覚えているかな」  そういうと彼は、内ポケットから警察手帳を取り出した。 「A警察署の最上流(リュウ)です。君とは病院で会ったよ」 「ああ、あの時の」  この刑事と会ったのは二ヵ月前のことだった。友人が階段から転落して意識不明の重体に陥ったことがあった。その時の捜査で事情聴取を受けたのだった。  つまりこの刑事に事情聴取を受けるのは二度目なわけだ。 「さて、さっそく話を聞かせてもらおうかな」 「僕は何を話せばいいのでしょうか」 「最後に白木慶子さんを見たのはいつだろう」
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