第2章

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 鉄格子の扉の前に立っている警官が、昨日の夜とは別の人物になっていた。どうやら看守とみていいようだだった。そういえば、以前観たドラマでは留置場を監視している警官を留置係だか留置場係だかと呼んでいた気がする。  その留置係が扉を開けてこちらにやってきた。 「もう起きたのかい。感心だね。ここの起床時間は六時半なんだけどね」 「そうなんですか」 「起きたのならただぼうっとしているのも退屈だろう」  そういうと、留置係は壁の壁に消えて何やらがさごそやり始めた。戻って来た男の手には箒とチリトリが握られている。 「あの、それは」
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