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窓の外では茶色の枯葉が風に身を任せて地面を這っている。それを見ていた俺の背筋に怖気が走った。理由はわからない。ただ冬の寒さに震えただけなのかもしれない。
それがまるで悪い予兆だったかのように、担任が次に言い連ねた言葉の内容は衝撃的なものだった。
「家庭科の白木慶子先生が亡くなった。調理実習室で亡くなっているのを、昨日の放課後に発見された」
教室中にどよめきが広がった。俺も驚きが隠せなかった。昨日の三、四時間目に家庭科の調理実習の授業があり、彼女の指導を受けたばかりだった。
なぜ実習室で亡くなっていたのかも気になるが、それ以上に彼女の死因が気にかかる。白木先生は確かまだ三十代前半だったはず。病死とは思えず、先ほどのパトカーが脳裏にちらついた。
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