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事情聴取は三階の教室で行われている。本来は二年生の教室だが、全員下校している。
聴取を終えた生徒から順に帰宅することになった。
聴取を待つ間、誰一人として騒ぐような者はいなかった。当たり前といえば当たり前なのだが、日常の風景からはかけ離れた状況が奇異に思える。そう思うほどに普段は騒がしいのだ。
俺の前に聴取を終えた生徒が戻ってくると、彼は俺に目くばせした。次は俺の番なのだ。
教室を出るときにふと振り返ると、緑川と目があった。しかし彼女はすぐに視線を外してしまった。いつもなら人懐っこく擦り寄ってくるだけに不気味に思える。
教室を出て廊下を曲がり、トイレを過ぎたところにある階段を登れば目的の教室に最短距離で向かえるのだが、俺は思いついたことがあってもう一つの階段の方へ進んだ。教室近くの階段と対の位置に目指す階段はある。
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