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「この三人、まだ狂人鬼化してないJO」
だとすれば……残りの狂人鬼二人が活動し始めれば、この部屋は凄まじい殺戮の場と化すだろう。もちろんこれの目的は会員たちのサービスだろうが、このゲームが続くのであれば拓たちにも危険が増えると言うことではないか? 本当に3人はまだ狂人鬼化していないのならば、もしこの映像を拓たちが見れば、当然救出しにいくのではないか?
「うまいこと考えたものだ。常に参加者を戦闘におもむかせる」
アレックスは感心し頷く。
「少しこっちに帰るのが早かったか」
ユージはヤレヤレと呟いた。
「とりあえず動こう。時間がない」
そういうとユージは「ぼちぼち寝-たーいぃJOO」と喚くJOLJUを引張りその場から去っていった。
紫ノ上島 島・北の地下 午後14時45分。
波止場近くの秘密地下施設の一室で、拓と三人の<死神>と一緒にいた。
拓は電話をしていた。相手はJOLJUで、仮面の外し方を聞いていた。拓は針金を用意し言われたとおり鍵を作り、携帯を使ってJOLJUが送ってきた電子コードで三人の仮面を外した。
「すっきりした」
三人のうち二人は白人、一人はアジア人だが雰囲気的に純日本人ではなさそうだ。言葉は英語だ。
拓は一応45オートを突きつけている。仮面を外した後、念のため全員手を挙げさせている。拓はまず自分から名乗り、男たちも順に名乗った。
やはりCIAの極東潜入局員だった。リック、マーカス、ワンの三人だ。一応電話でCIA本部のデーターと照合したから間違いない。
そしてCIA本部の方針が変わり全ての任務中断した拓に協力するよう新しい通達が出ているという事を言った。
突然の事で三人は未だ困惑している。拓も拓でまだ重要な話は切り出さない。どこまで信用できるか現段階では未知数だ。
溜まりかね、三人の中でリーダー格のリックが拓を睨む。
「我々は君に協力する。だが事情の説明を求める」
そういうとさらに睨みつけ畳み掛ける。彼らも冷静とはいえない状態だった。
「数年にいたる我々の潜入捜査を全て無にするだけの事情をぜひ聞かしてほしい」
「説明はする。だけど時間がないから簡潔に言う」
そういうと拓はこの島の秘密、そして事件、米国本土の動きについて語った。最後に本件が大統領命令によって最優先事項である事を告げた。これには彼等も従わざるを得ない。
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