第1話

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「お前さ、何で俺以外のヤツと遊ぶ約束してんだよ。俺が誘おうと思ってたのに」 「ごめんって。来週なら空いてるから」 「もういいよ」 「拗ねんなって」 ヤキモチですね、解ります。 他の子と遊ぶなって事ですか。 『お前は俺だけを見てればいいんだよ』って事ですか。 うは、萌える! 教室の中は萌えの宝庫だ。 クラスメイトの些細な会話すら、脳内補正でBLに変換出来てしまう。 「いいぞ、もっとやれ」 「何ニヤニヤしてんだよ。キモイな、中野」 自分の席で妄想の世界にトリップしていた僕の背後から声を掛けてきたのは、同じクラスの青山。 二年になってから同じクラスになったのだが、名簿も席も離れているクセにコイツはやたらと僕に絡んでくるのだ。 「別にどんな顔してようが、青山には関係無いじゃん」 「可愛くねーの」 「可愛いとか思われても嬉しくないし」 机に頬杖をついて、青山から顔を逸らすようにそっぽを向く。 .
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