第1話

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もう、放っておいてくれませんかね? お前が近くに居ると本が読めないんだけど。 クラスメイトの会話に萌える前まで読んでいた、ブックカバーを掛けて肌色の表紙を隠している小説本。 それをさり気なく腕の下に庇う。 えぇ、BLですが何か? 学校で読むなって? だって続きが気になるんだもん。 「何読んでたんだ?」 「言わない」 というか、言えない。 僕が腐男子なのは周りには内緒にしてるし。 「お前、本ばっかり読んでるから背がちっちゃいんじゃないか?」 「読書量と身長は関係ありません」 「ホント可愛くねーな」 呆れたように溜め息を吐かれる。 溜め息を吐きたいのはこっちの方なんだけど。 何でいつもいつも僕に話し掛けて来るんだよ。 青山と僕は友達でも何でもないじゃんか。 .
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