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なんて不毛な恋でしょう。
見慣れた道を今日も同じ人と並んで歩く。
――加藤 藍里
幼馴染みにして、私蓮見 千鶴の初恋の相手である。
藍里と言う女の子のような名前だけど、ちゃんとした男の子。
誰にも負けないくらい男らしくて、負けず嫌いで、頼りになる。
でも、身長が小さいから女の子みたいと言われても仕方ないかもしれない。
彼自身、とてもその事を気にしており、この間も私に身長を抜かれたときは涙目になりながら
「お前なんかすぐに抜いてやるからな!!」
と、男の子らしく威勢を放ちながらも酷く落ち込んでいた。
そんなところも可愛いよと言いたくなるが、さらに落ち込んでしまうので静かに胸に留めておくことにした。
そんな彼は今日も私を見上げてはまた、気にくわぬような顔をする。
なのに帰りはちゃんと一緒に帰ってくれるのだから愛しくて仕方がない。
と思う私も相当彼のことが好きなんだろうなと自覚させられる。
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