第1章

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「へ?………兄さんって?」 「あれ?言わなかったのですか?兄さん。」 彼は金谷さんにたずねているみたいだが、まさか金谷さんが彼の兄なのだろうか?だとしたら、何故苗字が違うのだろう?とか、美形家族だなぁ。とか、色々頭の中でぐるぐる回っている。 「そうらしいなぁ。」 しかし、金谷さんは戸惑い気味の俺を見てまたあの顔で笑う。 「倉内さんが琉生の兄だよー。」 「…ぇ! あ、え?倉内先生!?」 「はい。倉内流香は僕の兄です。母が再婚するまえの旦那さんとの間に兄さんが生まれて、兄さんは旦那さんの方に引き取られたんです。ちなみに僕は、再婚相手だった父さんとの間に生まれたんですけどね。」 「……何て言ったら良いのか…。複雑だね。」 「そんなに気を使わないで下さい。僕も兄さんも互いが兄弟だと、子どもの頃から認識していましたし。」
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