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扉の中からブザーが鳴る。同時に聞き覚えのある声がした。まさかと思っていたけど案の定、扉を開けたのは朝岡琉生だった。
「あれ?ナツさん。……それに、軽音部の天海君?」
彼はTシャツにスウェットと、ラフな格好をしていた。
「琉生。少し話す時間はあるかい?」
金谷さんと彼は仲が良いらしい。
「……はい。大丈夫です。どうぞ?」
彼は一度俺の方を見てから、部屋の中へと案内した。
「突然で悪かったな?」
「いえ。ナツさんが突然やってくるのにはもう、慣れましたよ。」
「おい。それじゃー、毎回ゲリラしてるみたいだろ!?」
「だいたいゲリラしてるじゃないですか。」
「えー。」
金谷さんは彼の背中を軽く叩いていた。子供みたいな人だ。俺がくすりと笑うと、金谷さんは急に俺の方へ振り返った。
「おい。葵君に笑われたじゃないか!」
「僕のせいにしないで下さい!」
まるで兄弟の様だ。
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