第1章

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 扉の中からブザーが鳴る。同時に聞き覚えのある声がした。まさかと思っていたけど案の定、扉を開けたのは朝岡琉生だった。 「あれ?ナツさん。……それに、軽音部の天海君?」 彼はTシャツにスウェットと、ラフな格好をしていた。 「琉生。少し話す時間はあるかい?」 金谷さんと彼は仲が良いらしい。 「……はい。大丈夫です。どうぞ?」 彼は一度俺の方を見てから、部屋の中へと案内した。 「突然で悪かったな?」 「いえ。ナツさんが突然やってくるのにはもう、慣れましたよ。」 「おい。それじゃー、毎回ゲリラしてるみたいだろ!?」 「だいたいゲリラしてるじゃないですか。」 「えー。」 金谷さんは彼の背中を軽く叩いていた。子供みたいな人だ。俺がくすりと笑うと、金谷さんは急に俺の方へ振り返った。 「おい。葵君に笑われたじゃないか!」 「僕のせいにしないで下さい!」 まるで兄弟の様だ。
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