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「・・・」
やべッ間違えたか?!
でも、茶髪だし・・・紳士的でも王子様じゃないじゃん!!ほら!同姓同名ってよくあることじゃん?間違ったかも・・・間違ってたら謝らないと。
すみませんのすを言おうとした瞬間、
「そうだよ。俺が佐伯涼。で、お前は転校生か何か?」
鋭いね・・・。
「河澄あいりです。桜ヶ丘高校に転校してきた2年生です」
自己紹介までに・・・。
何か言われんじゃね?みたいなものを心の底から引っ張りあげた。まず心の底に沈んでるんだから自分で引き上げんなよ!って話だけどね。
色んなものを頭で思い描いてる私。痛い子。
「おいお前、俺の性格のこと言いふらすなよ」
やっぱり猫かぶってたんかい!!笑い事じゃないけどね。
言いふらす友達もまだ出来てないのに誰に言いふらすって言うんだ。
今ぼっち発言しちゃったよ・・・。
「大丈夫大丈夫、まだ!友達居ないから」
まだを強調する私に佐伯君は「いないも同然だろ」と言った。しかも、とても素敵な笑顔を見せて。あいりちゃん泣いちゃうよ?!
「お!ネコちゃん発見!!」
ペルシャだ~!白くて可愛いなぁ。
ペルシャは結構大人しいし我儘言わないから飼いやすいんだけど毛並みに気をつけないとダメなんだよね。
「お前・・・よく普通に抱き上げれるんだな・・・俺なんか引っ掻かれたし」
少し驚いた顔をして猫と私を見る。
「ペルシャは大人しいんだけどな・・・」
私が言うと「俺だけかよ!」とイラついた風に佐伯君は言う。
お前どれだけ嫌われてんだよとか考えたのは私の胸の中にしまっておこう。口に出したら絶対怒られる。
「あ、ほら!お客さん来たよ!」
私が言うと佐伯君は私の頭を軽く叩いてから接客業をしに行った。
「いらっしゃいませ。2名様でよろしいですか?」
そういう彼は異様に爽やかな笑顔を振りまいている。
私にもその笑顔、振りまけよ!!!
「あの~このネコちゃん名前なんて言うんですか~?」
1人の女性客が佐伯君に質問する。
佐伯君は一瞬「メンドクセー」みたいな顔したけどやっぱり接客業って大事だからすぐに爽やかスマイルに戻った。
「ああ、この子ですか?この子はハナって言うんですよ?貴方みたいに綺麗でしょう?」
聞いた?今の聞いた?
佐伯君、口がお上手ね
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