本当は

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「あ、ありがとぅ・・・」 女性客は顔を赤らめ俯いている。 佐伯君本人はニヤニヤしてる。うわぁ・・・悪い顔してるなー。 「では失礼します」 また爽やかなスマイルに戻ってきた。 「はぁ・・・ネコ可愛い~」 別に佐伯君に興味ないからネコと戯れている私。 そういえばこの子の名前知らない・・・。 なんでもいいや。可愛いし私はこの子が好きなんだもん! 名前がどんなものでも好き。 だって、好きになることに理由はいらないって言うでしょ? 「おい」 「あ、ジンジャエールお願いします」 「テメェ・・・」 怒ってるよこの人。 「ふぅ・・・ジンジャエール1つな」 ため息をつきつつでも注文を受けてくれる。 ちゃんと接客業しろや!! 「うん、で、何かな?」 「やっぱなんでもない」 「そう」 結局何のために話しかけてんだよとか思うけど黙っておく。 ネコちゃん可愛いなぁ・・・。 「ほいジンジャエール」 「ありがとー」 女性客みたいな反応ではなく普通の反応した私・・・カッコイイ!! 「ところで質問なんだけどよぉ・・・」 暗い顔で言い出す佐伯君。 「ネコを抱き上げる特ってどうすりゃいいんだ」 直球だなおい。 ネコカフェの店員なんだから・・・知っとけよ!! 「そんなことも知らないの~?」 ニヤニヤしながら私は佐伯くんを見た。 「うるせぇ」 まぁいいでしょう。 教えてあげますよーん。 「お腹を隠して、背中が丸くなるよに抱くと、とてもリラックスするって聞くよ?私もそうやってるしやってみたら?」 私がそう言うと「いっつもそうやってるし」という佐伯君。お前の顔が怖いんじゃないのか佐伯君。 「目とかよく見ちゃうタイプ?」 「ああ」 あ、ダメだな・・・。 「ネコはあんまり目を見ちゃ駄目!威嚇されちゃう!目を見なければ普通に寄ってくると思うけど」 私が言うとメモを取る佐伯君。 すげぇ・・・。私なら何か言われても何もしないわ。 「よし!もう帰るね~」 私はそういい立ち上がりお会計をして店を出た。 佐伯君はドアまで私を見送ってくれた。 今思い出したのだが私は今、迷子中だった・・・。 忘れてたよおおおおおおおおおおおおお!!!
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