敗北国の悪あがき

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太陽が顔を出し、天高く登っていく。 鳥がさえずり、爽やかな風が木々を揺らし心地よい音を鳴らしている。 そんななか、少女は小汚ないベッドの上で目を覚ました。 その寝間着はまるで王族が着るような装飾が施され、その生地もとても良いものを使われている。 しかしそこには埃が付きまとい、それに小汚ないベッドのせいでとんでもない違和感を醸し出していた。 ラウナ「ここ…どこ?」 少女は眠たそうに目を擦りながら周りを見回す。 しかし知っている物は何一つなく、少女の顔は急に不満そうな顔つきへと変わった。 ラウナ「ウェンディ!どうせ部屋の前にいるんでしょ!来なさい!!」 大きな声でボロボロの扉の向こう側に聞こえるようにそう叫ぶが返事はなく、静寂が流れた。 ラウナはムッとした表情で扉を睨み付ける。 そんなラウナに答えるかのようにサワサワと木々のせせらぎが窓の外から聞こえてきた。 ラウナはイライラしながら朝の空気を吸おうと窓に寄る。 本来ならこれは執事の仕事でもある。 しかし執事であろうウェンディは姿を現さず、ましてや大声を出しても誰も反応しない。 これは非常時であることを意味するのだが、寝起きだからか、それとも疑う心を知らないのか、ラウナは外の空気を吸いたい、それだけのためにわざわざ窓のそばに寄り窓を開けるという行動に出た。 ラウナ「あれ?」 しかし窓が開くことはなく、ガタガタと揺れるだけで何かで固定されているようだ。 ラウナ「~~~~っ!」 更にイライラが加速したラウナはドスドスと足音を大きく発てながらドアを思い切り開いた。 その勢いでドアは壁にぶつかり大きな音が鳴り、ラウナはその部屋にいた食事の準備をしている男に叫んだ。 ラウナ「目を覚ましたのにモーニングティーも無しってどう言うことよ!!そもそもここどこ!?早く色々説明しなさい!!パパに言いつけるわよ!!」 怒りに感情を任せその男に叫び、男の顔を見る。 ラウナ「…あなた誰?」 男の顔が自分の知らない顔だということに気がつき、ポカンとした表情でまた男に問いかけた。 しばしの沈黙の後、木製の、そしてまたこれも軋んであちこち痛んでいるテーブルに食事を並べ終えた男はラウナの方を向き口を開けた。 男「俺の名前は…ゼノだ。」
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