亡国の力

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ゼノ「派手にやられてるな…」 ラウナの進んだ方向とはまた別の場所、周辺の木が全てなぎ倒されたかのような状態の中央にゼノは立っていた。 この周辺には魔物対策に罠を張り巡らせている。 あらかじめ小型の魔物や人間には反応しないよう調整していたがもしものことを考えて先ずここに来たのだ。 だがラウナはここには来ていなくて代わりに何か巨大な生物が暴れた後が残っていた。 約二週間ほど離れただけでこの森を縄張りに選んだ何かがいるのだろう。 ゼノは綺麗に形が残っている足跡を見つけ、その生き物を想像してみる。 ゼノ「猪か?」 その足跡は猪の足の形に似ていたためすぐに想像できた。ただ異常なのは足跡の大きさが大きすぎることだ。 恐らくどこかの山の主が追い出されこちら側に逃げてきたのだろう。 ゼノ「いい迷惑だな」 小さく呟くと面倒くさそうに大きなため息を吐き、猪が走っていったであろう方向見つめた。 暴れながら走ったのだろうか?木が倒れて見事に道ができている。 ここにあった罠は張られたロープが引かれたら丸太が振り子のように標的を狙う古典的な罠の一つ、小型の魔物や人間じゃロープに引っ掛かって転ぶだけだ。 なんて罠の仕組みを回想している場合ではない、 とにかくラウナを探さなければ。
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