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ゼノ「ん…」
木々がなぎ倒されてできた道を進む。
するともう一つの壊された罠を見つけた。
ゼノ「火矢の罠が起動している…。」
これも仕組みは先程とほとんど同じ、ただちょっとした衝撃ですぐに起動してしまうタイプなため人間が引っ掛かることも多々ある。
だが逆にこれは人からすれば罠だとすぐにわかるような形にしてある。
よほど足元が疎かになっている人間ぐらいにしか起動はしないはずだ。
だが問題はそこではなく、そのすぐそばにある磨り潰されたような痕跡のある倒木だ。
ゼノ「あのバカでかい猪か。」
ゼノはすぐに理解した。
どうやら大型の猪はなかなか質の悪い猪だと。
あの牙に貫かれれば人間の身体くらいなら木っ端微塵になる野は安易に想像できる。
ましてやラウナはまだ子供だ。
奴に狙われるようなことがあれば最早絶望的だ。
そう考えた刹那、ゼノがいる場所とは真逆の方向から甲高い悲鳴と何か大きな物体が転倒したかのような重い音が鳴り響き、そして遠くの方で鳥たちが一斉に飛び立った音が聞こえてきた。
ゼノ「罠か?それともあのアホ猪か?」
すぐに音の方向へ振り向き素早く足を動かす。
音が鳴り終わる頃には既にゼノは自分の出せる最速のスピードに達していた。
1歩1歩地面を蹴る度に足の裏、靴の底からは若干だが爆風が起き、その爆風がゼノの足を無理やり動かしている。
ゼノはその爆風を使い一瞬のうちにマックススピードに到達していたのだ。
だがどんどん靴が焦げていく、それはゼノ自信もわかっている。
だからこそここぞと言う時にしかゼノはこの走り方はしない。
特に高い靴を履いてるときには決してやることはなく、後々ゼノは今はいてる靴を見て若干溜息を吐くことになる。
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