第1章

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死ね、と人に初めて言ったのは保育園の頃だったと思う。死ね、とかそういう強い語調ではなくおまえなんてしんじゃえ、みたいな。そんな幼稚で舌っ足らずな罵倒。 僕がおまえなんてしんじゃえ、と怒鳴った途端、相手も僕も硬直したのをはっきり覚えている。 そしてお互いにまだ純粋だった瞳に涙を溜めて、おまえなんかとはぜっこうだ!と言った。 次の日、その喧嘩をした子は、誰かに胸を刺されて死んだ。
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