第1章

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僕はパニックになった。僕があんなことを言ったからあの子は死んだ。後悔。胸が苦しくなって、呼吸が上手く出来なくなった。 僕があの子を殺した、と。 いつか指さされるような気がして。 僕は酷く、酷く酷く酷く酷く酷く酷く酷く酷く酷く酷く酷く酷く酷く、 汚かった。 あの子の死に様とか、あの子の苦しみとか、あの子の痛みとか、全く全然、欠片も考えなかった。 僕の思考は、どうすれば僕が殺人者だと気付かれないか、というものだけだった。 幼いなりに考え、僕はあえて僕のせいであの子は死んだ、と泣き叫んだ。 あの子のお母さんは、僕を撫でてそんなことないわ、と言った。 痩けた頬が目に痛かった。 あの子のお父さんは、気にするな、と言った。 掠れた声が耳に痛かった。 僕のお父さんとお母さんはなにも言わず僕を抱き締めた。 呼吸が出来なくて苦しかった。 誰も僕を疑わなかった。 傷付きトラウマを抱えた子供として僕はそれ相応の扱いを受けた。
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