第1章

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僕はその日以来、死ねとかそれに準ずる言葉を使わずに生きた。もうあんな、胸が潰れるような日々は嫌だったからだ。 だが。 小学校高学年の頃だっただろうか、僕はあの、禁断の言葉を使った。 相手は僕が好きだったハルという女子の好きな男子だった。ハルがその男子に告白すると噂に聞いた僕は、いてもたってもいられず、男子を呼び出した。 『なぁ、お前はハルちゃんのことどう思ってる?』 あんなやつ、と男子は言った。 『あんなやつ、なんと思ってねぇよ。むしろうざったい。好きだのなんだのって噂たてられて。あーあ、うざったい』 『そんなこというなよ!ハルちゃんはお前のことが好きなんだぞ!?』 『なに、お前あいつのこと好きなの?』 けけっ、とその子は笑った。嫌な笑いだった。 『じゃあお前とあいつで付き合えよ。そしたら俺もお前も幸せじゃねぇか』 『そういうことじゃないだろ!?』 『……お前、なんかうざい。なに熱くなっちやってんの。どうせあんなやつ、大したことないぜ』 『……死んじゃえ……』 『は?』 『死ね!死ね死ね死ね死ね!お前なんかさっさと死ねばいい!!』 その日その子は、背中からナイフで刺されて死んだ。
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