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その日から俺は颯斗を避けた。
メールは返信しなかったし、会ったとしても目を合わせない、出来るだけふたりにならないようにしたしこっちからは話しかけなかった。
そうやってあからさまに避け続けたのが駄目だったらしい。
トイレから出て来てぼーっとしていたら、目の前に颯斗がいて肩をつかんできた。やばい、これは逃げられない。抵抗したらより強い力で掴まれた。
Γおい、俺なんかしたかよ。なんでそんな避けんだよ。なぁ、なんか言えよっ!」
何も言えずに黙っているいると、怒鳴り声が気になってたのだろう周囲に人が集まりだした。余計に焦ってしまって、言葉にならない単語しか出てこない。
Γおーい、授業始まんぜ。」
どこからともなくそんな声が聞こえてきた。翔が友達から俺らの様子を聞き急いで来てくれたらしい。
その声に冷静さを取り戻し、肩に置かれた手をたたくと案外簡単に離してくれた。けど颯斗が教室に向かう時、俺の耳元で
Γちゃんと教えてくれるまで帰さないから。」
と念を押してきた。
その場でため息を着いて俺も颯斗に倣って教室に向かった。
いい加減向き合わなきゃな。
颯斗とも、もちろん…俺自身とも。
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