ベクトル

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放課後、誰もいなくなった教室で颯斗と向かい合って、少し気まずげな声で颯斗から話しかけられた。 Γさっきは悪かったな。いきなり肩つかんじまって。」 Γ気にしてねーから大丈夫。俺こそ避けたりして悪かったな。……お前との距離に戸惑ったんだと思う。」 意味が分からないみたいな顔をされる。 Γ松島といい感じなんだろ?ちょっと前にデートに行ったって聞いた。松島と付き合ったら、俺らとの付き合いも減るだろうし、いつもみたいに話しかけたら邪魔になるだろうなって思ってた。だから距離を置こうと思ったんだ。」 Γ何でそんなん思うんだよ。お前らとの付き合いが減るわけねーじゃんか…。」 Γでも、今までとは変わるだろ?どうしたって今まで俺らで遊んでた時間はデートに当てるだろうし、流石に毎週デートされたら困るけどさ。」 颯斗は納得していないようで、少しむくれてる。 Γならお前は松島のこと諦めるの?」 Γそれは……。」 Γ出来ないだろ?せっかく初めての恋何だし、頑張れよ。俺も前みたいに相談にのるからさ。」 ポンっと頭に手を乗せて、言い聞かせるように言う。 Γわかった…。」 複雑そうな顔だけど、何とか納得してくれたらしい。 Γけど……、」ん? まだ続いていたらしい。顔をみるとにやっとしてる。嫌な予感がするなー。 Γ俺を避けてた分飲みもんおごれよな!」 しおらしくて可愛い数分前どこいった、まぁいいか。 Γはいはい、仰せのままに。」 そこからはふざけあって、アホみたいに笑って今まで以上に楽しく帰り道を歩いた。
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