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ベットに寄りかかり待っていると、扉が開いて、翔がこっちに近づいてくる。相変わらず顔は怖いまんまだ。
Γなぁ、さっきの話ほんとにそう思ってんのかよ。」
Γ本気も何も普通に考えたらそうだろ。」
Γふっざけんなよ!!何でそうなんだよ!!お前俺のことなめてんのか、んなことで付き合いやめるようなそんな安いもんじゃねーんだよ!」
Γ軽蔑?…するね。俺がそんな風に感じると思ったお前に軽蔑するよ。近づかないから? …四六時中ベタベタひっついてやんよ。忘れてくれ?…生憎、俺記憶力めちゃくちゃいいから。」
それを一息に言って、それからちょっと深呼吸をして少し寂しそうに笑った。
Γ……だからさ、もうそんなん気にしなくていいから。……泣いていいから、ひとりで抱え込むなよ。」
そう言って強く抱きしめてきた。
怒鳴られて呆気にとられていたらいつの間にか翔の腕の中にいて、体温を近くに感じて安心したのか、溢れ出した涙が止まらなかった。
翔のシャツをグシャグシャに握って肩口に額を押しつけながら、耐えていたものを吐き出すように叫ぶ。
Γほんとは…応援なんかしたくなかった、相談されるのも辛かった、あいつの松島を見る目が優しくて、何で俺じゃねーんだって、何で好きになったんだって、何で……、何で……………。」
翔はその間優しく背中を撫でてくれていた。
心の奥底にあったくすぶりをすべて吐き出し終えた俺に
Γ今まで辛かったよな、しんどかったよな。今日はもういいからゆっくり休んでろ。」
そう言って背中をあやすようにポンポン叩かれると、こんなに泣いて疲れたせいかそれに促されて、俺は泥のように眠った。
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