3人が本棚に入れています
本棚に追加
Γはよーっす。」
Γおー。」
Γはよ。」
走って駅まで行くと待ってくれていたふたりが返事を返してきた。先に颯斗次に翔、これもいつも通り…そう、いつも通りに振る舞わないと。誰にも気づかれないように、自分でさえ忘れてしまうほどに。
満員電車に乗って、今日の授業や小テストそんなありきたりなことを喋って登校する。大丈夫いつも通り笑えてるし話してる。
Γあ、ちょっと聞いてくれよ。」
嫌な予感がする。
Γさっき待ってる間に聞いたけど、こいつ新しいカノジョ出来たんだぜ!!ほんと羨ましいわ。」
あぁ、やっぱり。嫌な予感って当たって欲しくない時に当たるんだな。その声は最後まで聞こえていたのかはわからない。ただ呆然と立ちすくむことがないよう歩いていた。それしかできなかった。
周りに目を配れなかった、自分のことで精一杯だった俺は、自分を見つめる気配に気づけなかった。
最初のコメントを投稿しよう!