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「ねえ、私のこと、好いとう?」
「そりゃ、好いとうばい」
にっこりと俺を笑ってみる彼女。
たまらなく、かわいい。
……しかし。
次に彼女の口から出た言葉に、凍り付いた。
「なら、私のこと、殺してくれん?」
「はぁっ!?」
「殺して欲しいっちゃけど」
「なん言いようと!?そんなこと、できるわけなかろうが!」
「じゃあ、仕方なかね」
悲しそうに笑うと彼女は、持っていた鞄の中からナイフをとりだし、
……その首を掻き切った。
「ねえ、私のこと、好き?」
「そりゃ、好きに決まっとうやろ」
突然、目の前で彼女が自殺して、暫く経った。
俺の心の傷も癒え、新しい彼女もできた。
……今度の彼女は、普通の子であって欲しい。
そう願っていた。
しかし。
「うん。じゃあ、お願いがあるんだけど」
「お願い?」
……なんかすごい、悪い予感がするのは気のせい、か?
「私のこと……殺してくれる?」
<終>
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