第5章

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『美味しい!!さっぱりしてるけど、仄かに甘くてとっても飲みやすいです。』 本当に美味しかった。 『気にいって頂けて良かったです。では、ごゆっくりどうぞ。』 マスターはいつの間にか彼の分のお酒を作って、私達の前から静かに去っていった。 『香澄さん、今の顔もっとした方がいいよ。』 不意に言われた言葉に、 『今の顔.......?』 今私どんな顔した......? 『うん、今、香澄さんお酒飲んで美味しいって笑ったでしょ、その顔。』 笑った顔.....私笑ったんだ。 私が何も言わず俯くと、 『香澄さん、初めて会った時、一瞬だけだったけど笑ったでしょ? 香澄さんには分からないと思うけど、あの一瞬の自然な笑顔がめちゃくちゃ綺麗で。 もう一回......いや何度でもあの顔が見たいって思った。 さっき居酒屋で笑ってくれた顔も可愛いかったし。香澄さんにはいつもあんな風に笑ってて欲しい。』
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