第1章

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スマホが力尽きたという事実に落胆しつつ、服に付着していた土を払いながらその場で立ち上がる。 漫画やノートなんかが入っていた鞄が紛失している事以外には特に変わったところは無く、現在の服装は紺色のブレザーと白色のカッターシャツに灰色のスラックスという学校の制服のまま。 また体の何処かを怪我しているなんて事もなかったため、ボク自身に異常なところは何も無い。 ……まぁ、逆に言うとボク以外のものについては異常しかないんだけども。 周囲は日本だとは到底思えない巨木が無数に乱立し、頭上の枝の合間から見える青空に浮かんでいるのは二つの太陽らしきもの。 ……うん、どう考えてもここって絶対日本じゃないよね。 ―――ペキッ。 ボクの知っている常識からはあからさまに外れている周囲の状況に軽い現実逃避をしていると、不意に背後の方から枝が折れるような音が聞こえてきた。 ……なんだろう、振り返ったら間違いなく面倒事になるような気がする。 「グルルルゥ……」 おっと、今度は振り返らないと面倒どころか天に召されてしまうような気がしてきたよ。 しかもわりと痛い方法で強制的に送られる気がするね、うん。
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