サムシング・ブルー

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椅子を大きな音を立てて勢いよく立った。 一分一秒もここにいたくない! カツカツッ!とヒールの音を立てて帰る… と思ったけど、テーブルまでUターン。 「どうしました?」 「…伝票、忘れたので」 危うく食い逃げしちゃう所だったわ。 藤原さんは私を真っ直ぐ見ている。 チラッと藤原さんを見る。 …弁護士バッジがジャケットの襟についている。 弁護士だったってこと、本当だったんだ… 「面白い人ですね。 突然現れた、変な男に払わせておけばいいものを」 「自覚あるんですね」 「常識人のつもりですので」 自分で今、変な男って言ったじゃん!って突っ込もうと思ったけどやめた。 …帰ろう…こんな人の相手なんかしてらんない。 小さく会釈して、レジまで急ごうとしたら、 「お名前と連絡先」 「えっ?」
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