サムシング・ブルー

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机に置かれた職場では見たことの無い高級な万年筆と真っ白な紙。 何か書けと? 「お名前と連絡先を書いて下さい。私、登録していない連絡先には出ないようにしていますので」 それでよく弁護士が出来てるわね…と思ったけれど、ハンカチを借りている分、ここは従っておく。 椅子に座り直して、私の名前と電話番号を書いた。 その様子をずっと見ている藤原さん。 何か…照れる。 「出来ました。」 先生に提出物を出しているみたいだな、と思ったけれど、紙と万年筆を返した。 「秋澤さん、ですね」 「はい…」 「綺麗な字、書くんですね」 「へっ?あ、ありがとうございます」 「好印象です。いい事ですよ」 …褒められた?のかな?
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