サムシング・ブルー

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「ありがとうございます」 私の書いた紙をそれはそれは綺麗に四つ折りにすると、スーツの内ポケットに仕舞った。 弁護士バッジが蛍光灯に照らされて、キラッと光る。 こんなイケメン弁護士、いるんだ。 まぁ、左薬指に指輪をしているくらいだから、昔はさぞかしオモテになったんでしょうけど… 「大丈夫ですか?」 「はっ?えっ?」 「涙の次は呆然としていらっしゃいますから。 頭、働いてますか?」 …カチーンとくるなぁ、この人。 いくらイケメンでも、性格悪い人は嫌! 奥さんもよく我慢してるよね。 …なんて、今、婚約者に振られたばかりの私が偉そうに言えないけど… 「今度こそ、帰りますね。 洗濯したらまた、連絡します。」
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