サムシング・ブルー

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その後ろ姿を急いで追いかける。 「あ、あの、お金…」 「結構です。 今日は変な男に奢られたとでも思っていて下さい」 自分のことを変な男…って。 自覚あるんじゃん。 お会計をしてくれている藤原さんの少し後ろに立ち、スマートな後ろ姿を見る。 あっ…襟足がちょっと長い。 カットとかあまり行かないのかな? 弁護士さんだもん。忙しそうだよね。 「ブレンドお二つにカフェモカお一つとアイスコーヒーがお一つで、お会計は…」 …見ず知らずの元カップル二人と、振られた婚約者と自分の分のお会計。 藤原さん、今どんな気持ちでお金を払っているんだろ? 神経図太そうだけどな… だって、この人も婚約者に振られたばっかりなんでしょ? でも、涙一つ流していないじゃない。
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