サムシング・ブルー

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「ふふっ、わかってます。 藤原さんみたいな人が私みたいな普通の女、相手にするわけないですもんね」 そう、藤原さんみたいなエリートな人が私の事を相手にするわけないじゃない。 私達の関係は、同じ日に婚約者に振られて、同じ傷を負ったもの同士。 いわば、同類。 …と思いたいけれど、藤原さんが振られた理由は仕事の忙しさからだ。 遊んでどっかの女に取られた私とは全然、違うよ。 「ご自分の事をあまりそういう風に言うもんじゃありません」 水色のネクタイを片手で緩めながら、藤原さんにピシャリと言われた。 はい、すみません…先生… 「参考までに私の意見ですが、あなたはそのままで充分だと思います。 あんな事があった後ですから、卑屈になってもしょうがないですけどね」
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