サムシング・ブルー

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「いつ…気付かれたんですか?」 「あなたと初めて会ったあの日です。 まぁ…なんとなく気付いてはいましたが、ね」 淡々と何事もなく喋り続ける藤原さん。 まるで、他人事のように。 「どうして、そんなに平気そうなんですか…?」 「………仕事ばかりしていたのは本当ですから。 私にも原因があります」 「で、でも!そんなの酷過ぎます!」 ドン!と、カクテルグラスをテーブルに勢いよく置いた。 中身も少しの量だけれど、テーブルに零れてしまった。 「し、仕事をしているからこそちゃんと彼女さんがサポートしてあげないと! 好きな人が仕事を頑張っている間に他の人と会っているなんて…! な、何様のつもりですか!その人!!」 …と、つい声を荒げてしまった。 しまった…自分の感情を抑えきれなくて、つい本性が出てしまった…
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