サムシング・ブルー

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突然現れた変な人の存在で、いつの間にか止まっていた涙。 それでも自分が気付かなかっただけで、随分と泣いていたみたい。 ハンカチが涙でグショグショだ。 「洗ってお返しします…」 「いつでも結構です。」 そんな時、ヒソヒソと聞こえる女性二人組の声。 「なにー?痴話喧嘩かなぁ?」 「彼女、めっちゃ泣いてんじゃん」 「浮気でもされたのかな?まぁ、相手があんな男ならしょーがないよ、すっごくイケメンじゃん」 すごくイケメン? そういえば、泣いてて下ばっか向いていたから、前の席に座っている人の顔、ちゃんと見てなかった… 少し、顔を上げた。 服装はスーツ… グレーの落ち着いた感じ。 ネクタイは…水色… ここでも青色、か。
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