サムシング・ブルー

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もう少し、頭を上げて、顔を見てみる。 ….見惚れる…ってこういう事かな? 寝癖一つない、サラサラの黒髪に鋭い瞳。 通った鼻筋と、多分滅多に笑わないだろう真っ直ぐな唇。 意志の強そうな顔立ち… かっこいい、な、この人。 「泣き止みましたね。」 「は、はい…」 「では、これで」 私の涙が引っ込んだのを確認すると、席を立ったこの人。 えっ?ちょ…!! 「ま、待って下さい!!」 テーブルを乗り出して、男性の腕を掴んだ。 しかも、両手で。 「何か?」 「お、お、お名前は?!」 「………」 「ハンカチを返す時にお名前と連絡先を聞いておかないと…」 「あぁ、なるほど」
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