第一章 視聴率

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この国では、 芸術家を目指す者が多い一方で、 家でテレビを見ることを楽しみにしている者も多かった。 そんなある日、 第1地区から来たという、 聞いたこともない有線テレビの営業マンを名乗る者が二人、 この地区へやってきた。 普通のよくある勧誘と同様に、 契約の最初の1ヵ月は無料という触れ込みだった。 しかし、 変わっているのは、 それ以降続けて見た場合の契約条件のことで、 もし見続けたければ、 その家の住人全員の小指を1本づつ差し出せという恐ろしいものであった。 俺は、 そんな条件誰も呑むわけがないと、 最初は思っていたのだが……。
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