プロローグ

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しかし、こいつの行動力にはホント関心するもんがあるな。 もし俺が一人で遊園地なんて行った日にはきっと入院して、半年は出てこれないぜ。 胃潰瘍で。まぁ、そんな状況になってれば俺もこうして異質な状況に置かれることもなかったんだろうな。 「とーにーかーく陰謀なのー」 俺が反論すると、抗議行動なのか、校門前で手足をジタバタさせながら地面を転がりまわる我がSOS団団長。 非常にシュールな絵柄だ。これには、クールで通ってるはずの俺も口があんぐり開いて塞がらなかったね。誰もいないが少し距離を取らせて頂こう。 ホント勘弁してくれよ。ハルヒ。 体に合わせて心までガキになっちまったのか? 一通り暴れ足りたのか、パンパンとスカートを叩きながらすっくと立ち上がるハルヒ。 そのとき、久々に俺の背中に悪寒が走ったね。 立ち上がったハルヒを眺め、俺はあることに気付いちまったからだ。 「・・・ハルヒ、ちょっと来い」 「な、何すんのよ!」 心なしかさっきより幼い声。 逃げようとするハルヒの衿元を再び掴んで、俺の横に立たせる。 ハルヒの黄色いカチューシャが俺の腰元にあるのを確認したとき目眩がした。 視界がぐるぐると回る。 なんてこった。
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