プロローグ

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まだ木枯らしが骨身に染みる一月某日。 俺は急勾配の坂道を上り、我が母校を目指していた。本日は始業式。久々にSOS団以外の面々と顔を合わすのも何だか楽しみって感じだ。 だがどうも足が重い。 それもそのはず、冬休みを散々SOS団の面々と遊び倒してはっきり言って俺の精神は疲労困憊の極地だった。 今、我が妹に「お兄ちゃん何て大嫌い」って言われたらショックでぽっくり逝っちまいそうなくらいだ。 なんせあいつは俺の事をお兄ちゃん何て呼んでくれないからな。 いつかはキョンと呼び捨てにされそうで戦々恐々だ。と言ってる内に校門が見えてきた。 教室に入ると、みな冬休みをずるずると引きずってるらしい。朝だというのにいやに活気づいてる。 まぁ、今日は始業式だ。明日からの授業本開始までに気持ちを切り替えればいいだけさ。 谷口も例外ではなかった。馬鹿面丸出しで色々と話しかけてくる。 なんか、久々にこいつの顔みるとすごく腹が立った。抑え切れ無くなり、首根っこ掴んでぶんぶんシェイクしてやった。 最初はやめろよーとほざいてやがった谷口もしばらくすると悲壮な顔付きになり、ごめんなさいごめんなさいあきらさまとか訳の解らないことをぶつぶつと言い出しやがった。 気味が悪かったのでそのまま放置。 ところで誰だ?あきら様って?こいつの口から出る名前ってことはアイドルかなんかか? そういえば今日はまだハルヒの面を見てないぞ。 もうじき朝のHRが始まる時間だというのに・・・ 全く始業式早々遅刻か? そう思った途端、教室のドアが開き、非常に嬉しそうな顔をしたハルヒらしき人物が顔を現した。 なぜらしき人物かというと・・・・・・ なぁ、お前、涼宮ハルヒだよな。 一昨日まで俺らを引きずり回した張本人だよな? ここで質問だ。 なぁハルヒお前そんな小さかったか? 三年前のあの七夕の日。あそこで邂逅を果たした涼宮ハルヒがそこにいた。 ぶかぶかの北高の制服を着て。 もちろん、中学生らしい小さな体型で なぁ、 いったいこれは何の冗談だ? 教えてくれよ、東の高校生探偵さんよ。
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