遮断

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少し前を行く 志藤くんの靴のかかとを 見下ろしながら 正直、 助かったと思っていた。 いまの私は お客様に普段のサービスを 提供できるような 精神状態ではなかったから。 いまだ私の肌を 苦い煙草の香りが包み しゃがれ声がねっとりと 鼓膜に貼りついていた。 医務室に着くと 血圧が下がっていると 医師に診断され 問答無用でベッドに連行された。
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