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「来たきたぁっ!アキっ、わらべなんか殺しちまえっ」
夜依が叫ぶのは物騒過ぎる言葉。
「おいっ。その口ちったぁ閉じぃいっ_うおっあっぶねぇっ!それ冗談にならんねんからっ」
夜依の言葉に反論すると同時に明也の白銀の刃が首を一閃した軌道をギリギリで避ける。
「チッ…甘かったか…」
刃をゆっくりとした動作で確認するとまた違う構えをとって童子を見据える明也。
「甘くねぇから!実際切れたしっ」
「そうか。ならこれぐらいでノせるな」挑発的な笑みを浮かべた明也に童子は珍しく熱くなった。
久しぶりに抗ってみるのもアリか、と。
「じゃあコレは?」
と明也の横っ面を気持ち良いほどに蹴っ飛ばした後ろから急に現れた銀。
土埃を舞いあげながら舞台の端まで轟音と共に大破する。
これだけ轟音なら明也も無事では済まないだろうと心配した客席の大半が身を乗り出す中、夜依と夏美は至極冷静だった。
「っっいってぇな"っ!手加減しろよ」
キレながら瓦礫をいとも簡単に退かし立ち上がる姿はなんのことはない、ほぼ無傷だ。
額から夥しい赤い血は見られるがたいしたことではない。
「いやいやいや。アキ相手に手加減なんか無理」
返事する銀が真面目なものか。
はなから笑うのを堪えている。
その笑いに明也が怒りを持っているのはつゆしらず、命知らずにも童子の勝ち誇った声が聞こえる。
「やっほーーーっ!俺の勝ちやな!1万もーらいっ」
「仕方ない。今回は大人しく負けてやるよ」
銀の悔しげな顔が見える。
「あーぁ。あいつら処刑だぜ」
「馬鹿な子たちね」
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