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「アキ。今日何でこんな急いでんの?」
明也の右後方を歩く瀬戸 銀(せと ぎん)が明也に聞いた。名の通り銀髪の彼は明也以上に三白眼で恐れられやすい。
「今日は傘下の後輩達の指導するんだって。俺らが弱いのはもちろん後輩が弱いのは許されない、ってね」富田 夏実(とみた なつみ)が明也を代弁した。
「なるほどね。じゃあコロシアムには後輩達がいんの?」
「…あぁ。まぁ観客席には他の派閥の奴らもいるだろうが気にするな」
明也が口を開いた。
「そういや、福井のやつらが鐘が鳴った途端、正面玄関から出て行くの見えたなぁ」
関西出身である美納 童子(みのう どうじ)が思い出したように呟く。
「それはちっとヤベェなぁ…」
ニヤリと笑い、銀の右手側から顔を覗かせた群青色の髪の女はそうからかうように言った。
「何でだよ」
銀が女、鎌田 夜依(かまだ やえ)に聞いた。
「それは見てのお楽しみ~」
夜依はそう1人でいつの間に着いたのか入り口からコロシアムへ、見るからに楽しそうに入っていく。
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