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茶色の丸ゴシックには毒が含まれていたようで、突き刺されると同時に、黄色いマスに吸い込まれるように倒れた。
暗い瞼の裏はとても壮大で、その中を小さな茶色が白く縁取られて読みやすく漂う。
一度視界に入れただけで、すべての文字を取り込んでしまう。
そんなわたしを、今だけ、憎みたくなった。
幾度となく暗い中で体に文字が突き刺さる。
わたしはわたしではないから、血も痛みも出てこない。
丸みのない文字が、通り過ぎて、戻ってくる。
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