ようこそ、僕のセカイへ

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──いきなり、サーカスが始まった。 耳で味わう色のないサーカス。 闇のスピーカーは環状となり、色のないまま回り出す。 わたしを取り込んでいた円が、ドラムロールに共鳴する。 目の前の闇を線状に切り刻む。 闇が全て取り込まれて、わたしに放出されればいいのに。 わたしのみを闇とする、白い空間に戻ればいいのに。 一番最初の白い空間が、懐かしかった。 その重いが届くはずもなく、何かの存在が座長のようにスポットライトに取り込まれた。 .
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