第1話

～社会人から今現在～

　今はまた病棟再編があり、控え室も移動してしまったのですが、ざっくりいうと、二つの建物から病院は構成されていて、旧棟と新棟としますね。

　数年前まで控え室は旧棟にあり、四階建てでした。

　解る人には解るので、詳しく何階とは書けないのですが、かなり中途半端な階にありまして。

　エレベーターも階段も棟の真ん中より少々右寄り(階段やエレベーターを利用する人からして)にあります。

　ナースセンターが向かって左斜め前にあり、同時使われていなかったため、ビニールのオルガンカーテンが閉められていました。

　が、入り口にはドアがなく中を覗くのも簡単な状態てした。

　よりにもよって控え室は左奥の左側から二番目の部屋。左右に真っ直ぐ伸びて両端の突き当たりには非常階段があります。

　その日は、遅番だったためかなり遅い時間に勤務を終え、着替えのために控え室に向かっていました。

　階段で控え室のある棟まで向かい、いつも通り廊下を照らす薄暗い光を頼りに歩き始めた頃。

　何気なく目をやった先がなぜか、ナースセンター。会議が出来るように机が中央に置かれて椅子が何脚か置かれているだけの、殺伐とした風景。

　そこに、一人足を組んで座る人影が。正直、？？？となりましたが、なぜか余裕でスルー。

　あれってそうだよね？なんて思いながら怖がりもせずスタスタと振り返りつつも控え室へ。

　帰りにもういちど前を通る際、少し近寄って中を見渡しても誰も居ない。当然ですけどね。