Prologue 運命の出会い

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―ポケットモンスター、略してポケモン。 この世界にはたくさんのポケモン達が住んでいる。 そのポケモン達の生態はまだまだ謎に包まれている部分が多く、様々な博士や学者がその生態を研究している。 時に、人間とポケモンは力を合わせて戦ったり、仲良く暮らしたり、一緒に遊んだり、一緒に働いたり、互いに協力して支え合いながら生きているのである。 ―各夕私もポケモンをパートナーにしているポケモントレーナーの1人だ 私は、最近発見されたというフェアリータイプを含めた新たなポケモン達と様々な人種が暮らすカロス地方の出身だ 私事ではあるが、 私には忘れられない事がある… あれは、5年前の事だ… 私はその時エイセツシティにいた あのときは何もする事がなく…いや、何もする気が起きなかった―…と言うのが正しいだろうか 精神的にやつれていたのだからそう言った方がいいのかもしれないな それはともかく、私はその時、その町の石段に座り込み、うなだれていた… と、そこへ1人の修道女がやって来た まだ若い、綺麗な薄紫色の瞳をした美しい少女だった 私から見れば、親子ほど年の離れた…とは言いにくいが、 もし結婚していたならば彼女のような娘がいてもおかしくはなかっただろう そう思った 『どうしたんですか?そんな所で…』…普通ならばそう聞かれてもおかしくはない状況だった しかし、彼女はあどけない笑顔で 『はい、どうぞ』 と言って私に小さな巾着袋を手渡した その中には、ピカチュウ型のクッキーが入っていた 食べてみたら、甘く優しい味がした その味は、その時の私を慰めてくれるには十分だった あの時のクッキーの味は今でも忘れられない… そして、あの修道女の事も…… あの時の小さな巾着袋は今でも懐に大事にしまってある… あの時以来、私の脳裏にはずっと、あの時の彼女の笑顔が残って消えない… 彼女は今、どうしているのだろうか? もう一度、彼女に会いたい… 心からそう願う 神よ、 本当に貴殿がいるならば、聞いてほしい どうか、彼女を我が手に…… ――By フラダリ
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