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ああ、あの角部屋に住んでる男の子かい?
そうだね、いい子だよ。
ただいつもぼーっと窓辺に座って、外を見てる。
誰かが来るのを待ってるのかと思ったんだけど。
まあそんなことはないか。
ん?どうしてかって?
………あの子さ、事故に遭って記憶が一日しかもたないんだよ。
今日起きたことも、出会った人のことも、明日には忘れてしまう。
自分のこともおぼえてないんだってさ。
もちろん私のことも毎回不思議そうな顔で見てから、丁寧にあいさつしてここを通って行くよ。
会う?そりゃまあ構わないだろうけどさ…あんたあの子の知り合いなの?
…………なんとまあ、どれだけ悲しいだろうね。
あんたがあの子の救世主になればいいんだけど。
そうさ、階段上って左奥、白い扉の部屋だよ。
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